FinePix S3Pro 元プリクラ搭載機

こちら超格安入手しました、プリクラ機に使用されていたS3Proになります。画像でも一目瞭然ですが、USBカバーの穴と、VER.2.50がプリクラ使用機だった証です。初めて手にしたとき、設定がF1(スタジオポートレイト)で、カメラ出し12Mファインになっていました。自分はプリクラを使ったことがないですが、照明さえ完璧な状況でS3Proを使って撮影したら、写真館でプロに撮ってもらうも同然ですから、自動撮影機といっても完璧すぎる写真が撮れると思います。現在もS3Pro搭載のプリ機は現役なのでしょうかね?

 

先日初めて、当機を連れて南港線の撮影に行きましたが、今までプリクラ機の中に閉じ込められて、専ら人物撮影をさせられていた彼にとって、屋外に連れ出され、走る列車を撮影させられるのは予想外だったことでしょう。今までの活躍場と一変して、炎天下の外界に連れ出していきなり裸眼は眩しいだろうと、ND8のサングラスをかけての撮り鉄初ショットがコレです。

 

撮影画像はワイドRAW撮りのHS-V3現像で、最初は所有の他のS3Proとなんら変わらない、申し分ない画像に仕上がっていると判断し、とても満足していましたが、よく見ると撮影画像の左右に縦線が、それぞれ1本確認できます。まぁ、ロールフィルムの全コマに生じ勝ちな横線キズに比べたら全然マシと思いますし、現状のまま悪化しなければ大事に使っていこうと思います。


Nikon D5100 vs FinePix S3Pro

左:Nikon D5100 ISO100 f4.0 1/4秒  右:FinePix S3Pro ISO100 f4.0 1/2秒
左:Nikon D5100 ISO100 f4.0 1/4秒  右:FinePix S3Pro ISO100 f4.0 1/2秒

D5100

ISO100 f4.0 1/4秒
ISO100 f4.0 1/4秒

D5100にAF-S 50mm f/1.8Gを装着して撮影。

S3Pro

ISO100 f4.0 1/4秒
ISO100 f4.0 1/4秒

S3ProにAF-S 50mm f/1.8Gを装着して、D5100と同じ設定で撮影。

S3Pro  +1

ISO100 f4.0 1/2秒
ISO100 f4.0 1/2秒

S3ProにAF-S 50mm f/1.8Gを装着して、+1段設定で撮影。


まず冒頭の画像を拡大して等倍表示でご覧いただきたいですが、D5100は発光するものや被写体の輝いた部分が滲んだように膨張して写る傾向があり、これは他機種でも同じかもしれないですが、S3Proとの比較をしてみました。SR機は、他のカメラで白飛びを避けられない被写体で質感が出たり、光り輝く被写体は肉眼の片目で見た場合と同じ風な写りをします。

レンズはAF-S 50mm f/1.8Gを付替えて使用し、それぞれ最高画質での撮って出しJPEG、WBは両機ともにAUTO、シャープネス両機ともにSTDなど、まったく同じ土俵での比較になります。

 

但し、唯一ハンデとして、D5100のカメラ出し画像解像度は300dpiなのに対して、S3Proは72dpiです。

ピントは両機ともワンプッシュAFで、画面中央のintelシールに確実に合致させています。三脚固定でセルフタイマーを使ってレリーズしています。

 

発光体の写り具合に関しては画像の通りですが、その他の傾向としてD5100とS3Proは実効感度に約1段の差があるのを、上記3枚の画像でお判りいただけるかと思います。ちなみに被写体位置での入射光式露出計の測光値はピッタリ6EV(ISO100-F4.0-1/4秒)の露出状況下で撮影しています。

 

また色調に関して比較できるよう、PCモニターと実際を同時に見れるものを撮りましたが、この室内照明の場合、WBオートで実際を肉眼で見た感じの色調に再現しれているのはS3Proのほうで、写っているもの全てが実際の色と同じに見えます。PCモニターはEIZO SX2461Wで見ています。画質の違いは冒頭の切り出し画像で一目瞭然と思いますが、かなり差があるのが判ります。

 

S3Proの画像はPCに描かれたマイクのイラストなどが欠損していますが、実際そのようにはなっていません。これはハニカムSRならではのエラーと思われ、例えば空中に張られた電線など、線状の被写体がズタズタに切断されて写ることがある、その現象の表れかもしれません。どの画像もクリックで等倍表示してご覧いただけます。


鉄人になった原点の中京快速電車

YASHICA ELECTRO35 Gold Mecanica フジカラー F-Ⅱ
YASHICA ELECTRO35 Gold Mecanica フジカラー F-Ⅱ

こちらは残っていますもっとも古い鉄道写真で、名古屋駅0番線に到着する普通電車を1980年に撮影しました写真です。当時は中学2年生です。スキャンしたら真っ黄色で、適当に色修正しています。当方、若い頃に自宅を全焼していますので、それ以前に撮影したネガで残っているのが4コマしかなく、そのうちの1コマになります。

 

まだ荷物列車が全盛の頃で、少し写っていますが1番線側の西方は機関車置き場になっていました。撮影時間帯が朝なので普通電車として運用されていますが、急行形8連は快速用の編成です。80系、111系、113系使用の普通電車は10両編成があるのに対して、快速はすべて8両編成でした。4+4の編成が多く、写真の列車も中間でクハ同士が向い合っています。クハは奇数番が東向き、偶数番が西向きです。中でも注目していたのが、機関車と同じAW-2型ホイッスルが鳴るクハ155-18先頭車でした。またクハ159のラッパは他の先頭車と比較して高い音色で、元修学旅行用だからでしょうか、美しい2和音を発していました。

 

この写真は先頭がクハ165なのが僕的に残念ですが、ここでは165系はクハのみが使用され、モハユニットはすべて153系か155系 また159系も混じり、高速運転でも爆音が出ないMT46型モーターを搭載の電車ばかりでした。当時の快速電車は毎時1本で、西は米原、東は浜松までの間を走っていました。但し快速運転の区間は大垣~豊橋間です。当時の快速は青色サボと紅色サボがあり、青色快速は速達タイプ。朝夕だけに走っていた紅色サボの快速は停車駅の多い列車でした。

 

上り青色サボの最終(大府発16時43分)には急行伊奈の165系4両編成が併結されて、大垣夜行以外では唯一12両編成となる列車でした。この列車は飯田まで行くのは後部に連結した急行伊奈の4両だけにも関わらず、名古屋駅0番ホーム軒下のパタパタ表示機には「快速・飯田」と表示されていて、場内放送や車内放送も「快速電車の飯田行き」と言っておりました。 2017年にKATOから急行伊奈と、急行こまがね編成のNゲージが発売されて、それぞれ編成が違いますが、急行伊奈の編成(クハ モハ モハ クハ)のこともあれば、こまがね編成の(クモハ モハ クハ クハ)で来ることもありました。

 

幼少の頃、もっとも身近な列車は武豊線を走るキハ35形でしたが、時速100キロ超で走っていた中京快速電車は迫力があって、それに魅せられたのが原点のような気がしています。

 

撮影に使用しているヤシカは45mmレンズ付レンジファインダー機ですが、こうして古い写真を見ていますと、望遠で収めた迫力ショットよりも標準レンズで撮影された写真のほうが、周囲の情景も写り込んでいてよいですね。

現在の主力として使用していますFinePix S3ProはAPS-Cですから、28mmか35mmレンズあたりを付けて沢山記録しておくのもいいかな?と思わされます。昔は一眼レフも、一般人の多くは50mmレンズ付を買ってそのまま使うのが普通でしたし、コンパクトカメラも当時はズームを搭載する技術はなかったようで、どれも準広角の単レンズ付だったと思います。「ピッカリコニカ」というストロボ内蔵のコンパクトカメラが当時は画期的で、それを従兄が持っていて羨ましかったです。

 

撮影当日は、このあと中央線の電車に乗って、神領電車区で休息中の583系金星を撮りに行きましたが、当時の名古屋駅は1日中居ても飽きないところで、この場所に腰をすえて、来る列車を次々と撮影していたほうがよかったと、今はそう思います。 


自分とカメラ・写真

カメラ趣味の始まりは小学2年生のときに、親が使っていたヤシカエレクトロ35に興味を示し、フィルムが装填されているときに持出しては撮るようになったのが始まりです。ファインダーを覗くと中央に菱形があり、そこで二重像を合致させるのが面白くて、硬い革のケースに入ったカメラの質感や匂い、フィルムの匂いも好きで、カメラを触ること自体にハマリました。

 

レンズシャッターでは走行列車がブレるため、それを攻略すべく小5のときに流し撮りをマスターしています。小学生ながら地元の写真屋さんの常連でした。ヤシカは中学を卒業するまでの長期にわたり私物同然に使い続けて、15歳で就職して自分で初めて購入したカメラがCanonA-1とNewFD 50mm f/1.2(Lではありません)でした。

 

A-1は外見に魅せられて買いましたが、当時は「バカチョンカメラ」の異名をとるカメラでしたね。ギャゼットバッグ、L型ストロボに積層電池パックなど、給料もらうたびに全て純正品で揃えてましたが、19歳のときに自宅を全焼する火事で、それまでの写真とA-1も焼失。のちに付合っていた彼女を撮るために、何でもいいから一眼レフカメラが欲しくなり、中学のときに知り合った友人からリコーXR500の50mm f/2付を売ってもらい、しばらく使っていました。

 

彼女が居たことで、数年間は非鉄の日々が続いていました。ちょうど愛知の鉄道100周年イベントの時期と重なり、地元の武豊線をC56が何度も往復していたにも関わらず彼女と遊びほうけて見向きもしませんでした。遠くから汽笛が聞こえて彼女から「あれ見に行かないでいいの?」と言われましたが無反応でしたね。正直どうでもいいことで後悔もしてません。その傾向は今も同じで、鉄道の趣味は、自分にとって二の次なんだと思います。実はYouTubeにアップしています武豊線のC56走行動画や国鉄時代の映像も、すべてXR500を売ってくれた友人が撮影したものです。

 

のちに消防団で、小学生時代から一緒に鉄行動をしていた友達と再会し、また撮りに行こうとなって、そのとき友達が買ってきて見せてくれたのがミノルタα8700iで、それに吊られて、最初ミノルタα5xiを買い、しばらくして最上位機種だったα9xiまでも買ってしまい、それらで撮り鉄を再開します。大判・中判カメラを使い始めたのも この頃からです。

 

しばらく使ってみて、AF一眼レフは撮り鉄に不向きなのを痛感させられて、レンズも望遠から魚眼まで一通り揃えていましたが、当時はインターネットがないので質屋に売却して、それ以降からニコンのMF一眼レフを使っています。

 

今ではフィルム写真は撮らないですが、その理由ですが、現在はフィルム写真を撮ったところで、フィルム原版を直接見るか透過光式のプロジェクターで壁や白幕に映し出して見る以外、例えばカラープリントは、フィルムで撮った写真を写真屋さんがデジタル映像機器で複写したデジタル画像からのプリントですから、フィルム写真なのはフィルムを現像して映像が浮かび上がり、それを直接見るところまで。

 

あとはデジタル画像化した映像をプリント。あるいはCDにしたりだけで、昔のようにフィルムから直に焼き着ける紙焼プリントは現在やっていません。それに、デジタル画像化した映像からのプリントのほうが綺麗に仕上がります。デジタル映像化して使うならフィルムを複写するよりデジカメで実際を撮影した画像をプリントするほうが新鮮だと思います。

 

フィルムで撮って、写真屋さんでプリントしてもらって「やっぱりフィルム写真はデジカメでは出せない味わい深さがある」とか、それはフィルムに映った絵を複写するからで、調子が異なるのは現実を撮るか絵を撮るかの違い。色はフィルムを複写撮影するプロ用デジタル映像機器が出した色です。デジカメ画像は実際の風景を生で撮った映像。フィルム写真から起こした画像は、フィルムをデジカメで撮影した複写映像です。

 

そう考えると精神衛生上デジカメのほうが良いですが、しかしながら、4×5インチ判以上の大判フィルムから得る情報量は物凄いですし、写真原版が物質として残るので手に持って見たり嗅いだりできる。フィルムをカメラに装填する楽しみ。電池がなくても写真が撮れる機械式カメラを使う楽しみ等々。デジタル転換前の話ですが、わたしの場合はフィルムで撮影したら現像だけしてもらい、フィルムスキャナーで画像化していましたが、画質はもとより感触を楽しむという意味で、今ではフィルムカメラはかなり贅沢な趣味になると思います。

 

フィルム代や現像代も35ミリや中判は安いですが画質もそれなり、大判になると私が好んで使っていた富士クイックロードフィルムは20枚入りで1万円。つまりワンショット500円+現像代は525円でした。画面サイズは35mmフィルムの16倍で、充分コストに見合う画質ですけどね。大判写真を見てから6×9cm判を見るとボケボケに見えますから圧倒的な差だと思います。

 

わたしは写真やカメラが好きですが、今まで1000ショットを超えたカメラは少ないと思います。フィルムカメラのPENTAX67やNikonFM2にロールフィルムを装填して、目的の鉄道被写体を撮りに行ったところで、被写体は主に通過列車ですから前後を撮影しても2コマです。欲しい大事な写真なら、すぐに次の撮影予定がなければ数コマ撮って現像に出しますので、年間で100ショットを超えることはなかった気がします。

 

今ではネタもなく数年に一度しか写真撮影をしないですが、わたしが写真をするには、まず被写体に魅せられることが前提。それがない限りはカメラを手にすることもなく、カメラコレクター状態です。

 

そんな人が満足な写真が撮れるのか? そう思われるかもしれませんが、自慢すると過去に鉄道写真コンテストに7回応募して4回入賞。そのうち2回は金賞を貰っています。ちなみに、絶対の自信をもっての応募は3回ですので入賞確率100%です。そもそも写真コンテストや展示会など興味がなく、自分の撮っている写真は端から見たらどうなのか試しで、あくまで一時的な行動でした。なにバカなことしてたのかと思います。

 

言わせてもらうと、自分の写真の良し悪しは自分にしか解らないです。あなたが何をどうしたいか、知る人は世界中であなた1人ですから、当然ながら、各々が自分にとって世界一の撮影家は自分の内にいます。どんなに有名な写真家といえど他人ですから、あなたが自ら得た写真を超えることは出来ません。また他人が撮った写真は、例えば可愛い女性ですとか、写っている被写体そのものにしか興味が湧かないのが普通と思います。あくまで創造主は自分であり、各々が愛機を手に、自ら撮影した写真こそ価値があると思います。

 

前述のフォトコンテストに入賞した写真は、このサイトのトップページにあるツインタワービルバックと、あと3コマの写真もサイトに掲載してありまして、どれも普通に列車編成写真とも見て取れますが、それにも関わらず入賞できるのは確たる撮影意図がある写真だからです。同じコンテストに何十回の応募をしても入賞しないという人がいましたが、どんなに見事な写真でも意図なしでは選評される筈もなく、うまく撮れていれば入賞できるというものではないと思います。また写真コンテストに入賞することが目的なら、とくに画質の優れたカメラも必要なく、レンズ付フィルムで充分だと思います。

 


大判機材で撮る理由

鉄道写真は、もう長いこと撮ってないですが特に長大な編成を収める場合に大判機材にデジイチを付けて撮ることがあります。理由は望遠レンズで長大編成を撮る場合、通常はピントを置いた先頭部だけが鮮明で列車後部まで鮮明に描写できないところ、大判カメラのアオリを使うことで絞りは開放のまま線路の延長線上に無限にピントを出し、列車後部とその奥の状況まで鮮明に写し撮ることが出来るからです。

 

線路の延長線上にピントが出せればレリーズ位置フリーです。当然ですが接近してくる列車を機関銃のごとく無駄に連写しても全コマ合焦しています。下の画像はその例で、F5.6/F8レンズのそれぞれ絞り開放で、手前から遠方まで鮮明に描写されています。

S3Pro CMフジノンW210mm F5.6
S3Pro CMフジノンW210mm F5.6
S3Pro フジナー300mm F4.5
S3Pro フジナー300mm F4.5
S3Pro フジノンT400mm F8
S3Pro フジノンT400mm F8
S3Pro フジノンT400mm F8
S3Pro フジノンT400mm F8

大判機材を使ってのピント出しはライブビュー機能があるデジカメのほうが圧倒的に使い易くて、その合焦精度は大判カメラ本来のピントガラス面でのピント合わせよりも雲泥の差で確実です。

 

というのも、大判カメラはもとより全てのフィルムカメラはフィルム面でのピント合わせをしていなく、実は許容範囲に入っているだけで完全に合致しているとは限りません。現にスクリーンと撮像面での誤差が大きくピントの芯が出ないミノルタ一眼レフやタチハラ大判カメラを経験しています。それに対してデジカメのライブビューはセンサー面での合致を確認できるので安心確実です。

 

下の画像はニコンFマウントを取り付けた大判カメラとレンズです。画像のFマウントは大判レンズボードに穴開け加工した自作ですが、今ではデジカメを大判カメラに装着する需要が多く、あらゆるメーカー製のマウントアダプターが売っています。

ニコンFマウント付 トヨビュー45G
ニコンFマウント付 トヨビュー45G
左:フジナー300mm F4.5  右:ウォーレンサック ラプター380mm F5.6
左:フジナー300mm F4.5  右:ウォーレンサック ラプター380mm F5.6

下の画像は中判フィルムカメラ(PENTAX67)での実写例。300mmレンズの絞り開放でこの様に奥までピントを出すことはマウント固定レンズでは不可能です。PENTAX67は鉄道写真用の最高峰のカメラとも言われますが、しかしフォーマットが大きくなれば同画角での被写界深度は浅くなり、機関車の顔だけが鮮明で客車はボケボケに写っている写真が多いです。それでは折角の中判高画質も台無し。本末転倒だと思います。

 

画像は300mmレンズの絞り開放付近で、アオリによって列車先頭部から鉄橋のさらに奥まで線路の延長線上にピントを合致させてあり、列車先頭部と同距離の画面右部分はボケています。この辺り、絞り込みによるパンフォーカス映像とは違うところです。画像は4500×3558ピクセル (約1600万画素)で掲載しています。大型モニターによる等倍表示でご覧いただくと、他では例を見ない私の拘りをご理解いただけるかと思います。

PENTAX67 フジナー300mm F4.5 フジクロームPROVIA100F
PENTAX67 フジナー300mm F4.5 フジクロームPROVIA100F